大阪の繁華街
27日(土)楽天の三木谷社長が、経団連の電力業界保護政策に疑問を呈し、脱退を示唆したという。賛成だ。現米倉会長はこの事故の結果をうけても原子力行政に胸を張れとか、東京電力の免責を主張し、発送電分離にも公然と反対して政権をこきおろしている。
サミットでの管首相の発言にはがっかりだ。もっと明確に原発との決別を鮮明にして、少なくとも新設はやらないと踏み込むかと期待したが甘かった。彼の周辺にエネルギーに関する優れたブレーンがいないのではないか。事故の深刻さの認識が疑わしい。
先日NHKのクローズアップ現代はエネルギー問題に絡めて「ツーキニストが世界を変える」と題し、世界、特に欧州を中心とする自転車通勤の広がりを伝えた。日本が新幹線、高速道路、原発に狂っている間に欧州では人間中心の政策が進んでいる。
通天閣からみる大阪の街
自転車道と言えば、やはりオランダだ。車道、歩道、自転車道は完全に分離され、安全が図られている。ドイツ、ベルリンでもそうだったが、自転車はバスや電車にも人間の半額ほどの運賃で自由に乗せるスペースが確保されている。朝夕のラッシュ時にさえである。
ニュージーランドも同様で全国至る所へ自転車道で旅ができるようになっている。自転車を2~4台を車にくくりつけ(そういう部品がある)、家族で気軽に公園や小旅行に出かける。ルールも人や自転車優先にできており、ヘルメットは幼児から義務付けられている。
我が日本はどうか。新潟市内はいつの間にか旧市内は自転車道(と言っても、歩道と共有が多いが)の整備が進んでいた。結構なことだが、東京、大阪などの都会ではどうなのだろう。少なくとも自転車道の整備やルール作りは諸外国に大きく後れをとっている。
大阪通天閣
欧州諸国より遅れをとっているのは、自転車道だけではない。上下水道、一人当たりの公園の面積、環境保護行政、子ども手当などの社会保障制度、労働者の休暇など労働条件等々。要するにゼネコンなどの大企業の利益に直結しないような分野であることに気づく。
必要以上に盛り土をしたり、トンネルを増やす高速道路づくり、都道府県の2倍を超える飛行場、水量を改ざんしてでも作り続けたダム、道路や空路による輸送量や採算とは無関係に全国を結ぶ新幹線網。今度は「夢」を理由にしたリニアモーター建設の推進だと。
欧州諸国との決定的な違いは政治家が国民の側に立たず、企業の代弁者になっていることだ。民主主義が実現していないということだ。それを許している国民の意識の低さも問題である。大震災を機に我々の生活を見直し、国民のための政治を求め続けるしかない。
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