18日(土)快晴。9月18日は中国では9・18事件、或いは柳条溝事件という。日本では満州事変と呼ぶ。日中戦争、対中15年戦争の開始を告げる日なのだが、事変といういい方は宣戦布告なき戦争といわれるように、中国を蔑視し、対等の国家と認めない意思表示だ。
折しも、今日は中国北京や上海でのデモが伝えられた。今日という日もあるが、先日の尖閣諸島近辺での中国漁船が海上保安庁巡視船に追突し、船長を逮捕した事件への抗議活動だと伝えられている。中国でのニュースは日本が一方的に拿捕したかのような報道だ。
どこの国にも民族主義で凝り固まった人間はいるもので、対立をことさら煽ろうとする輩である。無視すればいいことだが、得てして、時の経済状況によって、国家間の対立に火がつくから怖い。ヒトラー、戦時中の日本の軍部、戦後アメリカの赤狩りがそうだ。
一方で中国や韓国からの観光客の急激な入国増が日本経済の需要増に貢献しているというから皮肉だ。民族主義者や国粋主義者は海外旅行の経験もなく、仮想敵を毛嫌いする傾向がある。その意味でも留学生の交換や観光客が相互に増えることは大きな意味がある。
幕末から明治への日本の教育の変遷を見てみよう。鎖国中はオランダの学問(蘭学)が中心だったが、開国以降は英学、仏学など流入した。総称して洋学という。医学を中心に天文学、薬学、化学などの自然科学や人文科学、そして軍事科学へとすすんだ。
蘭学は芝蘭堂の杉田玄白や前野良沢は有名だが、シーボルトの鳴滝塾には岩手から高野長英が四国から二宮敬作など全国各地から長崎留学を目指した若者が多かった。新潟の片田舎小千谷からも廣川晴軒という蘭学者が輩出するほどの人気だった。
儒学を官学とした幕府でさえ1856年には蕃所調所を設立し、奨励するほど。そればかりか、勝海舟の軍艦操練所や講武所(陸軍所)、語学所、鉱山学校、英語稽古所、仏国語学伝習所などさまざまな実学的知識や技能を重視した洋学研究機関を設置した。
新閣僚の記者会見で文科相をはじめ、何人かの閣僚が「適材適所ではない、自信がない、これから勉強して」などとコメントしているのを読んで、がっかりすると同時に怒りさえ感ずる。問題山積の教育界にそんな大臣はいらないと叫びたい。
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