5日(金) 日本社会の男女差別、格差は世界的にも異常だ。私がそれを実感したのは、すでに30年前のシンガポール赴任だった。ニュースキャスターが女性だったことに驚き、女性の社会的地位を調べた。弁護士の34.4%、医師の29%、ジャーナリスト43.7%、教師の61%が女性だった。
今でこそ日本のテレビの女性キャスターは珍しくなくなったが、まだ、あくまで脇役ではないか。教育現場の女性管理職に至っては新潟の中学校では5%代で全国最下位クラスだ。ここでは国会議員、地方議員の女性の進出状況を見てみよう。国会ではスウエーデン42.7%、デンマー38.0%。
フィンランド36.5%、オランダ36.0%と続き、日本は7.3%で15位である。(二院制、02年)。02年3月10日付け朝日新聞によれば、日本の女性議員の割合は市議会10.1%、町村議会4.8%、都道府県の管理職3.4%、司法試験の合格者27.2%、女性活用度70カ国中41位ということだ。
女性不在の町村議会が全国の半数(01年)。最も多いのは愛媛県の79.3%、次いで石川県の78.8%、熊本県の75.9%だ。新潟では初の女性議員誕生が99年の選挙だった。政党別にみれば女性議員の圧倒的一位は共産党で県議の56人、政令市議で45人。2位は公明党11、18人だ。
これを国際的にみれば11.3%で98位、中国21.3%55位、北朝鮮15.7%78位、韓国14.7%82位にも及ばない。なんとも情けない状況である。なぜ欧州で女性議員が多く、日本ではそれが進まないのかについて、法政大学教授衛藤幹子氏は次のように答えている。
世界的な傾向として法律や政党の独自策で男女議員の比率を定める制度の導入が盛んであること。フランスでは憲法で比例代表選挙ではおよそ5割の情勢議員候補の擁立を義務づけている。又小選挙区制では、男女差が2%を超えると政党助成金が減額されてしまう。
韓国は比例代表全国選挙区候補の半数は女性と政党法で規定し、女性議員は倍に増えた。女性の政界進出という面でも韓国はすでに日本を抜き去った。カースト制のあるインドでも定員の3割を女性に割り当てる憲法改正が行われた。アジアでさえ女性国会議員の割合は18.7%である。
日本の地方で女性進出が進まない理由として衛藤氏は「昔ながらの『土着権力』が幅を利かせており、未だに『女性は政治に口を出すな』という雰囲気が強く残っている。有権者も女性有権者を増やして欲しいと言わなければならないのにしない。特に日本の女性はそれを望まない」
言われて思い出したが、生徒会の選挙でも生徒会長に女子生徒が立候補した時、それを引き下ろそうとしたり、落選運動をやったのは同じ女子生徒たちだった。それが発覚した時、私は我を忘れて怒り、授業を潰して、選挙の意義、民主主義を説き直さなければならなかった。
海外赴任時に必要な予防接種や健康診断が可能な全国のクリニックを紹介しております。