12日(金)曇り。昨夜は久しぶりの素敵な音楽に心が洗われた。数日前、F中時代の教え子で市内の教会の牧師を務めているAさんから招待状が届いた。韓国に本部を置く、ラブ・ソナタ新潟実行委員会主催の韓流文化コンサート。会場は県民会館大ホールである。
お誘いの手紙には「キリスト教の集会ですが、日頃、日韓問題に心を向けておられる先生に」とあった。出演者は韓国の一流のアーテストで、私は知らないが、俳優のハン・ヘジン、声楽家2名、ピアニスト、バイオリニスト、サクソフォン演奏者など国際的著名人。
開演前のアトラクションで何と言うアートなのか、砂(?)を指で絵に表現する技にも感動した。横田めぐみさんのお母さんの訴えもテレビの大画面を使って放映するなど、2000人は入ると思われる席も満席。誘導してくれるボランテイアスタッフも素晴らしかった。
ロンドンで学生たちが学費値上げ、教育費の削減に抗議して暴徒化しているニュースが伝えられている。暴力はどうかと思うが、イギリスはサッチャー時代に大学の授業料有料化と共にさまざまな分野での民営化を進め、日米と共に新自由主義の旗手となった。
その方向性はブレア政権で一時改善されたが、基本的には他のEU諸国とは別の道を歩んでいる。学生が政府の政策に抗議して立ち上がること自体は理解できる。それでもイギリスは学生の個人負担やGDPに占める教育費の割合は日本よりはるかに高い。
日本は学生はおろか大人も政府が何をしようが抗議の行動を起こすことはない。情けないというほかない。元々日本の民主主義は占領軍によって容認・保護されて成長した側面が強い。加えて「民は之に由らしむ可し、之を知らしむベからず」という権力側の愚民思想を受け入れる歴史があり、「見ざる、聞かざる、言わざる」の処世訓も生きている。
私はこれらの諺が大嫌いであり、「長いものに巻かれろ」などは唾棄すべき言葉だ。日本に民主主義の芽が育たなかったわけではない。江戸時代以前から長い百姓一揆の歴史があり、それに続く自由民権運動の歴史もあった。我が新潟はその拠点の一つでもあった。
今、ネットのニュースが飛び込んできた。国連総会の人権委員会が「死刑執行の一次停止を求める決議」が賛成107、反対38、棄権36で可決されたというもの。日本は勿論、反対に回ったらしい。日本ではなぜか凶悪犯罪が起きると、死刑にしろの大合唱になる不思議な国だ。被害者遺族の感情は理解できなくもないが、死刑の持つ意味がよく理解されていないように私には思われる。日本の死刑制度にも問題がある。死刑と無期懲役の落差(実際には無期にならないこと)である。国民的議論が必要ではないか。
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