14日(火)曇り。書きながら気が遠くなっていく。よくもまあこんなに無駄で危険なものを計画し続け、国民も許してきたものだと思う。ガラス固化体からは強い放射線が出ていて、原子炉から取り出してからでも100年経っても人間が近づけないものだという。
機械で遠隔操作するか、厚い金属容器に入れて運搬するのだ。六ヶ所村に運搬する時も真夜中に行われているらしい。この固化体が日本に現在どのくらいあるか。09年12月末現在で23100本になるという。これをそのまま埋めるわけにいかず、30~50年地中に保管。
固化体の放射能がウラン鉱石レベルに下がるまでには数千年を要するというし、完全に消えるには1億年かかる物質もあるというのだ。現段階では最終的には地層処分と言って、安全な地盤をこれから探して掘り、総延長数100キロに及ぶトンネルに封じ込める。
封じ込めると言ってもその技術の開発はこれからだというし、処分地も決まっていない。02年から公募が始まった。交付金をちらつかせ、立候補しただけで交付金を支給する仕組みだ。処分地にできそうな場所を25年ごろに決定し35年から50年かけて固化体4万本を埋め、85年頃から10年かけて処分地を埋め戻すというのが政府の青写真だというのだ。
ただし、これは2020年までに発生する見込みの固化体で、それ以降は又別の問題になるのだ。そもそも、この地震大国日本にそんな安全な地層があるとは私には想像できないのだが・・・。地質は勿論、地下水の流れも問題になるという。欧米でも同じ方法が考えられているが、決まったのはアメリカとフィンランドだけという。まだ着手していない。
この地層探しの不安に対し、政府や電力会社は「過去数10万年を調べ、活断層や火山の活動がない地域を選べば、将来10万年程度までは地震や火山の影響を避けられる」と説明しているが、私などは全く信用しない。柏崎刈羽の地盤調査だっていい加減でデータを隠したり、海岸に伸びる活断層の調査を要求したにも関わらず必要ないとしたではないか。
神津カンナ氏なども読売新聞編集委員との対談の中で、物を作ればゴミが出るのは当たり前で、その処分地が必要ないとはならないといった論理で合理化している。原子力発電が必要不可欠で安全だという前提でしか考えないからそうした理屈になる。
又これらの処分費用を政府は3兆円と試算しているが、これも信用ならない。他の公共事業の資産も完成の時期には何倍もの無駄な税金をつぎ込んできたではないか。予想もできないような危険と経費をかけて推進する理由がどうしても理解できない。だからこそ欧州の国々の多くが撤退を決断したのではなかった。
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