21日(火)晴れ。テニスができ、昨日の酒が抜けた。原発ゴミの話に戻したい。原発を推進する限り、原爆の原料にもなる危険なプルトニウムは増えていく。日本は世界に向かって2つの約束をしている。原子力の利用は平和目的に限る。(原子力基本法)
2つ目は利用目的のないプルトニウム(余剰プルトニウム)は持たない。(IAEAの査察を受ける)では日本にはどのくらいのプルトニウムを持っているのか。海外(英仏)に24トン、国内に7万トン、計31トン。その他に使用済み燃料に含まれるものが144トン。
この保有量は露、米、英、仏についで世界5位だという。このたまり続けるプルトニウムの処理方法は再処理(高速増殖炉かプルサーマル)するか直接地中処分かだが、アメリカ、ドイツ、スウエーデンは再処理を断念、スイスは凍結、推進は英仏日だけである。
日本は当初、高速増殖炉で再処理を計画したが、95年にもんじゅの火災事故でめどが立たなくなった。ではというので、97年にプルサーマル(プルトニウムとサーマルリアクター(軽水炉)を組み合わせた日本の造語)計画の推進を決定。
99年関西電力MOX燃料検査データ不正が発覚、計画中断。01年、新潟県刈羽村住民投票でプルサーマル反対が過半数、02年、東京電力によるトラブル隠しが発覚、新潟県と福島県がプルサーマルへの了解を撤回。05年小泉政権はあくまで推進を決定。
プルサーマルとは現在の原発(軽水炉)でプルトニウムをMOX燃料として再利用するというものだが、現在稼働しているのは09年11月の九州電力玄海原発3号機、10年3月の四国電力伊方原発3号機、9月の東京電力福島第一原発3号機の3基だけである。
プルサーマルの燃料になるMOX燃料は現在もんじゅは停止中、六ヶ所村に建設予定の再処理施設は完成していないため、英仏に送って加工保管してもらっているわけだが、この燃料単価は輸送料を含めてべらぼうである。ウラン1kg11万円に対し130万円もする。
何より不安なのはその危険性である。ウラン燃料(通常の原発)では原子炉にたまるプルトニウムの量は1%程度なのに、MOX燃料のプルトニウムは5~10%だという。プルトニウムの含有量が高いということは、それだけ制御(コントロール)が難しいという。
一旦事故が起き燃料内のプルトニウムが外部に放出されるようなことになれば被害を受ける地域は現在の原発の事故の場合に比べ、2倍近くに達するというのだ。刈羽村の人々がこれを住民投票で拒否したのは賢明な選択だったといってよいのである。
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