4日(火)スキー場には雪が一杯。里には雪なし。理想的な正月ではないか。タイの仏教について書き忘れた。私の経験ではタイの人々がアジアの中で最も信心深いのではないか。特に田舎では日本からとっくに消えたお坊さんによる托鉢姿が一般的だった。
朝から食べ物を持ってお寺に向かい、タンブン(供物を捧げる)する。学校でもそうした行事がある。年寄りに限らず、寺院でも若者による礼拝は念入りである。貧乏で学校に行けない子どもでもお寺に入れば教育が無償で受けられるという社会施設でもある。
昨年は尖閣沖での中国漁船の衝突事件などで再び反日運動が燃え上がった。日中交流が進むかに見えるようになったと思えば、こうした事件が繰り返されて、日中関係が冷える。冷えると見えるのは政府間であって、国民同士ではないと思うが、影響は免れない。
前にも書いたが、私個人の体験でいえば、中国人の友人・知人が一番多い。その大半は礼儀正しく、勤勉で、心優しい人たちばかりである。だから、ニュースで流される粗暴で品のない中国人像を伝えるマスコミの報道に違和感を感ずることも多かった。
確かに礼儀を知らない傍若無人な中国人の学生や観光客も数多く目撃したし、出会ったりした。そのたびに、これは人によるのだ、昔日本人だって海外で同じような批判を受けたことがあったじゃないかと思ったりもした。そのどちらも間違ってはいないだろう。
ただ、はっきり言って世界各国で中国人の評判の悪さは嫌というほど聞かされたし、次いで韓国人非難の声もたくさん聞かされた。共通しているのは金銭亡者だということと、礼儀知らずということだった。逆に日本人の評判のよさにも驚かされることが多かった。
こうしてみると、両国の経済発展と深く関わっていることは疑いないようだ。中国の場合、一人っ子政策によるわがままな子どもの成長や中国の歴史に絡む中華思想の再現も関係しているかもしれない。そうしたことを、しばらく検討しながら日中関係を考えたい。
日中関係は一衣帯水とか逃げられない隣人関係とよく言われる。その通りであるし、何より同じアジア人として、好き嫌いとは関係なく友好関係を築かなければお互いの国の将来はないと断言できる。それにつけても参考にすべきは1924年の孫文の言葉である。
中国侵略に野心を見せる日本に「西洋の覇道の犬となるのか、東洋の王道の干城(盾)となるのか」と詰め寄ったと言うが、今や同じことを中国に返さなくてもいいように、お互いの国同士が猛省すべきではないか。国民同士はいつの世にも友好的だったのだから。
海外赴任時に必要な予防接種や健康診断が可能な全国のクリニックを紹介しております。