8日(金)今朝は屋根に薄らと雪。しかし日中は晴れ。昨夜は退職時の最後の卒業生から声がかかり、近くの居酒屋で飲んだ。私を入れ9名。ほとんどは大学4年生。全員が就職を決めたという。世間の不況による就職に決まらない学生のニュースは実感がないという。
故郷に帰ってくる子や県外就職を選んだ子、卒業旅行にイタリアに出かける子など。いつものように夢に行き詰ったら海外に出ろと勧める。すでに働いている子はみんな高級車に乗っている。今の子は経済的な理由で夢を諦めることなどないから幸せだ。
嬉しいニュースが飛び込んできた。5人の男女が夫婦別姓を求め提訴したことだ。大歓迎である。この常識的な問題は自民党政権下の15年まえに法制審議会が選択的夫婦別姓の導入を答申したにもかかわらず、反対が多く実現しなかった。民主党政権下でも進まない。
これを動かすにはやはり裁判しかないと思っていたが、ようやく争ってでもと言う人たちが現れたのだ。個人の尊重を定めた憲法13条や両性の平等を定めた24条に違反するという訴えである。一人一人の事情を聞けばなおのこと今までの放置に怒りを覚える。
通称は認められるようになっているが、パスポートや健康保険証などの公的文書は戸籍名しか使えない。各種手続きで本人確認を求められる煩雑さにペーパー離婚した人さえいる。そうすると今度は財産相続や年金問題で女性が不利益を受ける仕組みになっている。
母親一人に育てられたという75歳の女性は「生まれてきたときからの名前を変えたくないだけなのに、私はわがままか、社会を乱す人間のように言われ、人知れず苦しんできたという」選択的夫婦別姓を導入ても、同姓を名乗りたければ名乗ればいいだけの話なのに。
夫婦同姓を日本の伝統とか文化だと思い込んでいる人は多いが、とんでもない認識違いだ。そもそも庶民は江戸時代まで苗字などなかったし、明治政府が姓を強制した時も実は大論争があったのである。家族を天皇支配の末端組織に位置付けたいための同姓制度なのだ。
男性中心、戸主中心の家族観を維持するための制度だということ。別姓反対派は「家族の絆や一体感が失われる」を理由にしているが、ふざけた話だ。世界の大勢は別姓が権利であって義務ではない。日本が同姓にしがみついて世界中で家族の絆が一番強いなんていえるのか。
私個人は苗字など単なる記号に過ぎないと思っているので、こだわりは全くないが、民主主義国家で不利益を被る人がいることが許せない。戸籍の本家である中国さえ孫文の妻は宋慶齢であり、周恩来の妻は障ナ頴超である。日本が異常なのだと気付くべきだ。
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