22日(土)曇り。家族問題を一時中断。すっかり映画相棒にハマってしまい、テレビやDVDで見まくっている。ドラマの中で時々「公安」が登場し、警察庁と対立する場面が出てくる。こんな場面まで設定して大丈夫なのかと私などは思ってしまうが、一般の人は知らないのではないか。
対立とは、公安警察が名前も名乗らず、警視庁の捜査に介入し、時には被疑者を連れ去ってしまう。でも警察官は手を出せない。ドラマ仕立てのように見えるが、案外事実ではないか。戦前ならともかく、戦後日本に秘密警察があるなんて多くの人は知らないだろう。
秘密警察と言えば、アメリカのCIAや韓国のKCIA(現在はない)、旧ソ連のKGBが有名でスパイ活動は当然のこととして、謀略の限りを尽くし、拷問、盗聴、盗撮は常識というイメージがいきわたっている。今はあの金賢姫を育てたのも北朝鮮の秘密警察だ。
驚くにはあたらない。日本にも戦前は特高警察や陸軍中野学校と言う秘密警察や謀略スパイ機関があったのだ。創設のきっかけは1911年の大逆事件(幸徳秋水等による明治天皇暗殺未遂という警察によるデッチあげ事件)だが、直接的には25年の治安維持法成立だ。
同年の普通選挙法成立により、共産党の勢力伸長を怖れた政府がつくった組織が特高警察であり、陸軍中野学校である。内務省の直接指揮を受け、通常の警察組織とは別組織で、後には戦争に反対する自由主義者も対象となった。内務省幹部に自民党の町村金五(信孝の父)がいた。
中野学校はスパイ養成を主任務とし、卒業後は主として中国や東南アジアに暗躍した。中には純粋に「大東亜共栄圏建設」を信じ、東南アジアなどで独立運動に身を投じた者もいる。「新しい教科書を作る会」などは、彼らの運動を日本の本当の狙いだったと活用している有様だ。
特高による犠牲者は小林多喜二の拷問死をはじめ、新潟出身の大杉栄扼殺事件等数え上げればきりがないが、治安維持法による犠牲者の組織は今でも活動をしている。在職中は彼ら体験者から何度も話を聞いた。特高警察は戦後GHQの命令によってすべて廃止されたはずだった。
ところが、あのオウム真理教による地下鉄サリン事件で突然亡霊のごとく公然と姿を現した。公安調査庁の名前で。現在法務省の外局で公安庁とか公調、公の字を分解してハムとも言うそうだ。名前からして怪しげだ。危険な団体の取り締まりが建前である。
怪しいというのは、長官やトップクラスの人名は検察庁出身者として名前は公表されているが、一般職員は秘密か公表されてもほぼ偽名が使われているという。公表されているのは職員数1500名、調査予算25億円、職員給与100億円程度である。
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