13日(日)晴れ時々曇り。ムバラク政権が崩壊したのは喜ぶべきことだが、その後の展望が見えてこない。極端な反米政権が生まれることになれば、イスラエルとの関係をめぐって再び戦争の危機を招かないとは限らない。この地域は複雑で分かりずらい。
昨日の夜、見るとはなしにNHKの「無縁社会」をめぐっての討論番組を観た。30~40代の参加者が多かったように思うが、やはり派遣社員など不安定な環境にある人たちは、セーフテイーネットの必要性が強調され、自営や正社員からは自己責任が説かれた。
全体としてはネガテイブで展望のない話が多かったように私には聞こえた。無縁社会を嘆きながら、自分からそれを求めている若者や都会暮らしの人々がいるとの指摘もあったし、無縁やひきこもりが成り立つ経済状態があるからではないかとの意見もあった。
ただ一人、フィンランド人の女性がいて、日本の社会は会社に寄りかかる部分が強かったり、仕事を生きがいにしてきた社会ではないか。私たちは個人の暮らしが中心で、会社が破綻したり、介護の問題が起きれば国や地域全体で支える仕組みだから日本とは違うと。
私は彼女の意見をめぐってもっと議論が盛り上がって欲しかったが、司会者も参加者も余り注目する様子がなかったのは残念だった。確かに自立しない、させない日本社会の甘えの構造は大きな問題で、自助努力や自己責任は強調されてしかるべきだが・・。
競争社会を是認するなら、すべて自己責任で片づけるには無理があるし、国や自治体の責任回避に使われてはかなわない。医療、雇用、年金など欧州並みのセーフテイネットの整備は必要不可欠である。無縁社会の最たる現象が不登校や引きこもりということになる。
日本特有ではないにしても、05年の数字で完全ひきこもりが160万人、それに準ずる人を含めると300万人と聞くと、やはり異常だ。英国BBCが日本のひきこもりを特集した番組に多くの意見が寄せられたと言うし、イタリアでも新聞の特集記事になったとのことだ。
オックスフォードの英語辞典に「Hikikomori」と表記され、収録されたとのことだから、不登校も含めやはり日本発と行ってもいいようだ。先進国病になりつつあると。確かにタイやベトナムではそんな話はなかったし、ニュージーランドでも聞かなかった。
今月初めのクローズアップ現代でも取り上げていたが、ひきこもりは20歳以上が60%、男性の割合が76%を超えるというのも驚きだった。50代のひきこもり男性が母親と暮らし、パソコンだけが外部との接点だと言うのはあまりにも異常で暗い話だった。
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