3日(水)皇室改革の妨げになっているのが、天皇や皇太子などの本人ではなく、元華族の集団である常盤会やそれ出身の女官たち、同様に皇族や元華族出身の宮内庁の宮廷官僚だから始末が悪い。彼らは古臭い伝統を盾に権威によって自分たちの特権を守ろうとする。
又彼らを支えているのが先に紹介した自民党の平井義一議員の国会質問で見たように、天皇家は「我々国民とは違うのだ」として、国民から遠ざけることによって神秘性を保持し、権威を高める。右翼天皇主義者たちの一貫した主張だと見ていいのではないか。
テレビで見ていると、欧州の王室の人々は自由に振舞い、発言している様子は我々にもよく見える。ダイアナ妃が日本の相撲を観戦した後、支度部屋に行き、小錦と談笑し、お腹に触ったりした場面がとても新鮮だった。あるいは、オランダの女王がふらりとデパートに現れ、ネクタイ売り場で買い物客と会話を交わすなど、日本ではあり得ない。
浩宮のイギリス留学をめぐっても警備をめぐって宮内庁は最後まで反対したし、大学での専攻科目の決定にも本人が史学科を希望したのにそれを阻止しようとしたのも宮内庁だった。いずれも本人の希望をかなえてやるのが正しいと天皇夫妻が押し切って実現した。
宮内庁の史学科反対の理由がふざけている。天皇家の歴史に疑問を持つようになっては困る、陵墓発掘の運動に加担されては困る、三笠宮のように建国記念の日に反対されるようになっては困るというものだ。それほど危うい歴史もある天皇家の歴史でもあるのだ。
イギリスでは王室のスキャンダルを平気で暴くが、日本では宮内庁は必死になって発行や出版に圧力をかけてやめさせようとする。あるいは事実を伏せようと暗躍する。先の乳人の件など私は知らなかった。昭和天皇の第3皇女和子の夫鷹司平通氏の情死事件。
三笠宮寛仁親王(三笠宮長男)が酒に酔って夜中に侍従を叩き起し、「おれは皇族をやめるぞ」と叫んで、騒動を起こした事件(皇室会議で否決された)、現天皇の皇太子時の黒木侍従長が新宿歌舞伎町のソープランドで腹上死した事件も事故死と発表された。
明治、大正、昭和の3代で言えば、大正天皇が最も人間的で行幸の先々で国民に親しく語りかけ、自分の意見を率直に語った。それが周囲をハラハラさせ、権威を落としたと非難されもした。昭和天皇は明治天皇を尊敬し、寡黙を通した。現天皇も皇太子も開かれた皇室をお望みのように私には見えるが、どうだろうか。こうして見てくると、皇室改革を進めるには、まずは情報公開が必要だと思わせる。民間から嫁入りした美智子妃や雅子妃が自由に発言したり振舞えるようにならなければ、明日の皇室はないように思われる。
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