13日(日)晴れ。連日の地震報道に疲れ気味である。現地の人には怒られそうだが、何もできずにいらいらしながらニュースを見ているのもつらいのだ。地震の規模がマグニチュード8.8から9.0に修正され、世界5位から一気に最大規模に。一位でなくていい。
今日の報道は新聞もテレビも原発一色になった。私が昨日爆発もあり得ると書き終わった直後に1号機の建屋が爆発でコンクリートの屋根や側壁が吹き飛んだ。幸いなことに原子炉本体の爆発ではなく、建屋に溜った水素が酸素に触れて爆発したということ。
原子炉の爆発ならスリーマイル島の二の舞だった。爆発はあり得ないとコメントしていた科学者を名乗るコメンテーターは今度は水素による爆発で本体ではないから大したことはないかのようなコメントをしたり顔でやるもう被爆者もでているのに。彼らの言うことは全く信用ならない。
原子炉の炉心溶融が始まったことは事実なのだから、冷却がうまくいかない限り、原子炉の爆発はあり得るのだから、最悪の事態をはっきりと説明しておくことは必要ではないか。今回の政府の対応はなかなか素早く、管首相や枝野官房長官は良くやっている。
いつも今回のような緊張感をもって政治をやってもらいたいものだ。原発の情報開示だけが後手後手になっている。爆発から5時間後にようやく記者会見が行われる始末。特に原子力保安院の会見は何を言っているのかわからないしどろもどろ。呆れてしまう。
以前から私はこの役所を信用していない。原発推進を図る経産省の一部局で、どれほどの専門家がいるのかさえ疑わしい。新潟中越沖地震の際それが露呈し、発表資料はほとんど東京電力からの横流し資料で、東電発表を追認するだけの会見が多いのだ。
海外の関心は圧倒的に原発に向けられている。その点で日本人は原発に鈍感過ぎないか。政府・電力会社上げて作り上げられた原発安全神話の成果ではないか。チェルノブイリ事故以来、欧米の認識は原発は「安全ではない」との前提でさまざまな対策がとられている。
地球温暖化に絡んで、原発を再評価する「原子力ルネサンス」の動きがアメリカを中心に盛り上がっていたが、今回の地震でブレーキがかかることを期待する。ロイターのクリスタル・フリーランド氏はCNNの番組で「この地震で世界的に経済的な影響が出る心配があるのは原子力産業。完璧だった日本の原発が安全でないとすれば、原発再評価の流れは後退することになるだろう」と発言している。この発言を予想したかのように、日本のテレビコメンテーターはもし今回の地震を安全に乗り切れば、日本の原発は安全だと言えるかのような発言を繰り返している。テレビ局ももっと疑問を呈する識者を登場させよ。
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