21日(月)曇。昨夕5時頃、枝野官房長官は記者会見で「客観的に見て、福島第一原発は再起動ができるとは思わない」と廃炉の可能性に触れた。大歓迎だ。勿論5,6号機も含めてのことだと思うが、自動停止した福島第二、女川、東海第二発電所も廃炉にすべきだ。
柏崎・刈羽原発だって07年の地震から再起動したのは、一番新しい7号機で2年半後(起動後もトラブル続き)、5号機は4年近くの歳月を要した。2,3号機は未だに動かせないでいる。古い福井県敦賀原発、美浜1号、島根1号、静岡県の浜岡原発も心配である。
政府及び電力会社は施設全体を解体して撤去するという考えだ。一基当たり最低50万tの廃棄物が発生する。これは当然「放射性廃棄物」として管理されるべきものだ。ところが、05年5月の国会で原子炉等規制法改正案が成立し、かなりの廃棄物を産業廃棄物と同じ扱いで処分できるように改悪された。
従ってその埋立地が農業などに利用されてもよい、廃棄せずに家具や食器などの鉄材に再利用しても良いとなったのだ。信じられない改正案だ。反対したのは社民党と共産党だけだった。今回の原発事故で過敏なほどに反応しているが、今なら改正案は成立すまい。
今朝のニュースでは福島原発の周囲に爆発や津波で吹き飛んだ瓦礫の山を取り除く為に自衛隊の戦車が出動すると言う。放射能が強くて一般車両では近づけないということである。その瓦礫の山自体が放射性廃棄物でそのまま埋め立てたりはできないはずである。
仮に冷却装置が復旧して冷温停止に成功したとしても、解体作業は想像を絶する時間と経費がかかることは疑いない。世界の主流の処理方法は燃料を安全にとりだした後をコンクリートやアスファルトで密閉して放置するというものであるが、日本は完全解体だろう。
解体作業のために新しく発生する廃棄物もある。放射性レベルの高いところは遠隔操作で解体作業が進められる。そのために必要な機器が最後は放射性廃棄物になるというわけである。強い放射能をもった鉄材の切断はプールの中で行われるからその水も廃棄物だ。
東海原発で実験中というわけだが、最終処理まで40年。費用は一基当たり600億円と資源エネルギー庁は見積もっているがそれで済むかどうか、疑問が出されているという。我々の監視がなければ、改正規制法で安易に海岸や土中に埋めて処理しかねない。
日本の原発は近い将来に寿命を迎える。その処理費を考えただけで電力会社の採算は合わなくなる。今回の地震でも損害賠償法で基本的には電力会社が損害賠償を負う事になっている。ところが早くも会社は負担しきれず、政府が例外規定を使って賠償に乗り出さざるを得ないと検討を始めたとの報道である。国策として推進している以上止むを得ない面もあるが、こうなることは想定されていたことだ。
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