3日(土) 原発のニュースがだんだん小さくなって関心が薄れていくことを危惧する。汚染された高濃度の水が海に流れ続けているし、東電は1~3号機の水素爆発を防ぐため、水素の置き換えを検討しているという。ということはまだ爆発の危険があるということ。
私の不安はこの危機乗り切りを東電に任された状態でいいのかということだ。チェルノブイリの汚染除去の際、5年間責任者を務めたユーリ・アンドレエフ氏(露)の重要な証言である。氏は今必要なのは原発を覆った石棺ではなく、東電から独立した特別チームだと。
テレビに登場するコメンテーターはもう峠を越えたかのようにいい、10年で処理が終わるかのような楽観論を垂れ流している。しかし、ユーリ氏は「2号機は炉心や原子力容器が溶融している疑いがある」と。中央大の舘野淳氏も「圧力容器の炉心溶融」の危険を指摘。
ユーリ氏は状況悪化の理由を「東電の情報が不正確で不足している。企業というものは会社の利益を優先して行動するので作業から外す必要がある。幅広い知識を持つ経験豊富な技術者を日本中から集めて特別チームを編成し、作業にあたらせるべきだ」と。
そうはいっても、今体を張って原子炉を守ろうとしている東電社員や下請けの作業員をもはや引き揚げさせるわけにはいかない。舘野氏は「一つ山を越えたと思っても、別の危機がやってくるのです」と言っている。とても予断を許せる状況ではないのだ。
「チェルノブイリの場合も旧ソ連政府が隠ぺいしたために状況を悪化させた。日本では原子力政策と安全規制を同じ経産省が担当している。世界的に見ても安全規制当局は原子力産業界に依存しており、独立した委員会をつくろ必要がある」ズバリ言われている。
ロシアを馬鹿にし続けてきた電力会社がロシアの技術者にここまで言われて恥ずかしくないのか。東電会長が安易に発言したことにも「チェルノブイリで事故炉を石棺で覆ったのは放射線の放出を防ぐためではなく、残った原子炉の運転を続けるためだった」
中大の舘野教授も「核燃料は核分裂反応が止まっても、放射線を出して崩壊し続け、熱を出します。(崩壊熱)冷却できなければ、核燃料の被覆管(すでに一部損傷説もある)は約1000度以上で水と反応し、1800度で飴のように溶けてしまう」今その戦いの最中だと。
コメンテーターが机上の空論で10年で終息などと言っていることにも、ロシアの立ち入り禁止区域を管理するボブロ氏は「原発解体まで100年はかかる」と。今後5年間だけでも毎年102億円が必要で、25年たった今でも3480人が働き、安全管理にあたっていると。
海外赴任時に必要な予防接種や健康診断が可能な全国のクリニックを紹介しております。