9日(土)曇り。不安が的中した女川、東通、六ヶ所村の原発施設は幸い電源が回復して事なきを得たようだが、安心できるものでは全くない。一時は燃料プールの水が揺れによって溢れ、外部電源が失われて使用済み燃料の冷却機能が停止する状態になった。
今回の一連の事故で次々と明らかになったことは、原発の命綱ともいえる電源確保のいい加減さ。国の原子力安全委員会の指針の中に長期間の電源の喪失について「考慮する必要はない」と明記してあったというではないか!経産省と電力会社の癒着の馴れ合う姿!
戦後一貫して原発推進を国是としてきた自民党の政治資金団体「国民政治協会」に対し、07年から3年間で1700万円の政治献金が行われ、個人でも勝俣会長、清水社長が09年に30万円、6人の副社長が24万円、9人の常務は12万円の献金が今朝の朝刊で暴露された。
宮城県の女川原発は東北電力の経営で1~3号機まであり、3.11の地震で自動停止していた。1号機の運転開始は84年ですでに27年目を迎えている。98年には燃料棒8本の引き抜け事故、2号機は配管の減肉による穴あき事故、3号機は放射能漏れ事故と事故続き。
東北地方に限らず、今回の地震で太平洋側のすべての原発は大なり小なりダメージを受けたはずである。原子炉の安全だけが問題にされ、安全性が強調されてきたが、非常用電源や配管、それに使用済み燃料プールの安全性も徹底検証する必要が出てきたのである。
青森県の東通原発は稼働中で停止したのは東北電力の1号機で2号機は16年着工、21年運転開始の予定、その他に東京電力が今年1月着工した1号機(17年運転開始)、2号機は14年着工、20年運転開始の計画になっているが、断念に追い込まなくてはならない。
将来、最も危険な存在になる青森県六ケ所村(下北半島の付け根)の核燃料サイクル施設は3.11で外部電源が失われた。全電力会社が出資して作った日本原燃株式会社(会長が東電社長)が使用済み核燃料の再処理と核廃棄物の最終処分場を目指している墓場である。
以前に一部紹介したが、すでに操業を開始しているのはウラン濃縮工場、低レベル廃棄物埋設センター、使用済み燃料貯蔵プール、高レベル放射性廃棄物センター(ガラス固化体、先日テレビがフランスで処理されて送り返された物体を映した)、MOX燃料加工工場。
そして今年開始するはずが事故続きで来年に延期になった再処理工場の本体である。問題はすべての廃棄物の最終処分場がまだ決まっていないことだ。六ヶ所村を候補にして、全国に公募をかけているが、反対運動は盛り上がるばかりである。絶対阻止しなければ・・。
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