11日(月)曇。選挙の結果は見る気もしない。ただ一人、柏崎・刈羽原発の反対運動の先頭に立ってきた武本和幸氏の落選は残念だ。東電を強力なバックに持つ古株の自民党2人が当選した。本音を貫けない有権者の苦悩も見え隠れする。これが日本の現実である。
選挙が終わった。国会議員も地方議員もこぞって被災地に向かい、ボランテイアに参加しながら被災者の声を聞けと叫びたい。政治家の義援金集めの話も聞こえてこない。共産党を除くすべての政党が受け取っている政党助成金も復興に使うべきだ。政争をやっている場合ではない。誰が今の危機を救えるというのか。
3・11の震災から一カ月になる。原発関連を除けば復興への作業は急ピッチで進んでいるようだ。それにしても阪神淡路の時に比べ、範囲が余りにも広く、仮設住宅一つにしても適地探しも容易に進まない。資材不足も東北にこれだけ頼っていたのかと思い知らされた。
復興の足を引っ張り続けているのが、先の見えない原発事故だ。昨日終わったらしい、「低濃度の汚染水」を海に放水するという信じられない暴挙で世界に恥を曝した。昔、ロシア(旧ソ連時代)同じような汚染水を日本海に流し、日本や世界各国の非難で中止させた。
あの時、日本はソ連を笑いものにした。同じことを日本はやってしまった。ロシアに抗議される始末である。「低濃度」というのは東電の造語らしい。フリーランスの上杉隆氏の問い合わせに、東電は「相対的なもの」と答えたそうである。通常の環境基準の100倍の濃度が「低濃度」だというのだ。
漁連や世界各国からの抗議を受けて放出を続けるわけにはいかなかったのだろう。当たり前だ。海は日本だけのものではない。この期に及んで東電内部にまだ情報隠ぺいの動きがあるという。情報は隠せば隠すほど信頼は失われることを肝に銘ずべきだ。
これを書いている最中の5時17分、かなり強い地震がきた。3.11のときより強く感じたが、震度4だという。あの地震の余震が続いている。新潟でこれほどの不安を持つのだから、東北の人たちの不安を思いやると、恐怖に近いのではないか。早く収まってほしい。
とっさに思い浮かぶのは原発はどうなった?である。1~3号機の外部電源が失われ、津波警報による作業員への避難命令によって、50分にわたって原子炉への注水がストップした。NHKの解説員は「危機的状況の出現」といい、今後も大きな余震は予想されるのにと。
最悪のシナリオがどこまで考えられているのかと不安にさせられる。枝野官房長官は向こう一ヶ月を目途に計画避難の市町村が発表された。ここまできたら、あらゆる手立てを講じて住民の安心につながる避難先とあらゆる補償を明確に確約する必要がある。
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