13日(水)晴。震災や原発のおかげで、他のニュースがかすんでしまう。元厚生労働省局長の村木厚子さんが無罪となった文書偽造事件で証拠隠滅罪に問われた元主任検事の裁判で懲役1年6カ月という軽い判決が下った。「刑事裁判史上例を見ない事件」と言いながら。
権力を乱用し冤罪を生み出したことが確実な事件としては余りにも軽すぎる。その上司であった大坪元特捜部長も「個人の犯罪でコメントする立場にない」などと責任逃れをしている。東電と国の関係も原発推進の旗振りをした国の責任が重いことは言うまでもない。
選挙が終わったと思ったら、自民党ばかりか与党内からも政権批判が公然化しようとしている。今そんなことをしている場合なのか。全く呆れる。口を開けば「国家国民のため」などと心にもないことを言い、その実は権力欲しかない輩が今の政治家の実態だ。
もっとひどいのが評論家たちだ。桜井よしこなどは原発事故を「管政権による人災」などといい、「大東亜戦争の敗戦も乗り越えて復興を成し遂げたのは、指導者への信頼があったからだ」といいつつ伊藤博文や東条英機などを挙げるのだから、私とは住む世界が違う。
今の政権が素晴らしいとはとても言えないけれど、今の政界で誰がこの難局に立ち向かえるというのか。首相の首を挿げ替えて、一から態勢を作りなおせとでもいうのか。そんな余裕は被災地にも原発にもない。具体的に批判をした上で対案を示すのが先だ。
保安院はレベル7を発表しながら、言い訳に明け暮れている。チェルノブイリは29人も死者を出したが日本は0だと。29人の死者は旧ソ連政府が爆発を隠ぺいしようとして対応が遅れたのが最大の理由で、放射能の量が直接の原因ではない。正確に語るべきだ。
排出されているであろう放射性物質は今までヨウ素131とかセシウム137ばかりでやっと理解し始めたばかりなのに、昨日はストロンチウムが検出されたという。しかも原発から30キロ地点に。セシウムは甲状腺にストロンチウムは骨に蓄積されるのだというのだ。
セシウムもストロンチウムも半減期は29年とか30年といい、いずれも重いのだという。重いものが30キロも飛ぶのか。次に出てくるのはプルトニウムそのものではないのか。なぜ小出しに発表するのか。可能性のある物質のすべての数値を理解できるように発表せよ。
2号機の汚染水の水位が下がったのは冷却装置の復旧工事を1日でも早く進めるために嬉しいが4号機のプールの気温上昇は気がかりだ。毎日続く余震による配管へのダメージも気になる。再び電源が断たれるようなことになればもう終わりだ。大丈夫なのだろうか。
海外赴任時に必要な予防接種や健康診断が可能な全国のクリニックを紹介しております。